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最近、飲酒運転に基づいて米国の就労ビザが取消される事例が増えている。

これまでも、ビザの更新を申請する際に飲酒運転による逮捕歴等が問題となることはあった。しかし、昨今では就労ビザで米国在住の外国人が、飲酒運転による逮捕歴があることを理由に米国滞在中にビザを取消される事例が増加しているのである。

米国在住の外国人のビザが取消された場合でも、必ずしも当該外国人が直ちに国外に退去しなければならないということではない。ビザの取消しと同時に直ちに出国を求められる場合もあり得るが、通常は出国後、再入国する必要のある場合には再度ビザを申請するようEメールにて通知を受けることになる。このような通知を受けた場合、既存のビザは無効となったことを意味するため、当該外国人は新たなビザを取得し直さなければ就労目的で米国に再入国することはできない。

ここで注意を要するのは、飲酒運転の嫌疑について最終判断が下される前に(有罪の判断がなされる前に)ビザを取消される可能性があるということである。国務省のガイドラインによると、国務省は警察等の他の米国政府機関から適格性を疑わせる情報を直接受け取った場合には、当該適格性が疑われる者のビザを取消すことができる。国務省は、他の政府機関のデータベースから逮捕や有罪判決等の情報を入手できるが、これらの情報は終結した事件に関するものに限られない。すなわち、事件が未決であっても、逮捕等がなされたことに基づいて、つまり、飲酒運転の嫌疑のみに基づいてビザが取消され得るのである。

なお、ここで対象となるのは過去5年以内に起こった飲酒運転である。また、過去5年以内に発生したものであっても、ビザの申請の際に当該情報を開示していれば対象とはならない。留意すべきは、ビザの申請、取得後に起こった飲酒運転である。

企業は外国人従業員に対し、飲酒運転が当該従業員のビザ(就労資格)ひいては米国における継続的な就労に重大な影響を与え得ることについて伝えるか否か及びどのように伝えるべきかについて慎重に検討することが必要である。少なくとも、外国人従業員が出国する場合、出国前に、飲酒運転によって逮捕されたことがある場合には、その事実に基づいて再入国を拒否される可能性があること、及び通知なくビザが取消される可能性もあることは伝えるべきである。また、逮捕等に基づいてビザを取消されなかった場合でも、次回ビザを申請する際には当該逮捕歴等の情報は開示しなければならないため留意されたい。

従業員が逮捕され又はビザを取消す旨の通知を受けた場合には、直ちに弁護士に連絡を取り、どのように対応すべきかについて検討することが推奨される。

© 2016 Barnes & Thornburg LLP. All Rights Reserved. 書面による許可なく複製することを禁止します。

本ニュースレターは、法律の最新情報、動向をご案内するものであり、いかなる場合も法務サービス、法務アドバイスの意味を持つものではありません。本ニュースレターは、一般的な案内目的でのみ配布されるものですので、個々の問題については弁護士までご相談下さい。

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